【名護】名護市のネオパークオキナワは20日から、園内の自然情報博物館で、企画展「研究者を驚かせた生き物たち展」を開催している。「のぞく」をテーマに、沖縄の自然科学界で功績を残した研究者の功績をパネルで紹介し、国立科学博物館の巡回展示などもある。来場者らは研究者たちをとりこにした生き物の世界をのぞき込み、不思議に触れて楽しんでいた。展示会は9月23日まで。
研究者の紹介は3章に分かれ、第1章は国頭農学校(現・北部農林高)の初代校長も務めるなど、名護にゆかりのある黒岩恒さん(1858~1930)を取り上げた。沖縄の自然科学の第一人者である黒岩さんはクロイワボタル、クロイワトカゲモドキなど「クロイワ」と付く生物名が数多くあるほか、尖閣諸島の命名者でもある。展示会はその生涯と、功績をパネルで展示した。
第2章はネオパークオキナワの生みの親、初代園長の故近藤典生さんに焦点を当てる。オニオオハシやカピバラといった園内でも見られる生き物の骨格標本を、解説と共に展示した。近藤さんの動植物園造りの理念や、スケッチ資料も並んでいる。
第3章は国立科学博物館の巡回展示「ダーウィンを驚かせた鳥たち」。ダーウィンが進化論を考えつくヒントとなったとされる鳥「ダーウィンフィンチ」を紹介する。昆虫食、花蜜食、種子食、雑食の食性に適応して、くちばしの形状が異なる15種に分化したダーウィンフィンチを、精巧なバードカービング(鳥の彫刻)によって比較観賞できる。
展示を担当した山中隼輝(としき)学芸員は、「企画展は『のぞく』をテーマに、穴をのぞく仕掛けや、骨格標本をいろいろな角度からのぞく展示をしている。研究者たちが夢中になっていた世界をのぞき見ることで、興味のある生き物を深く掘り下げる楽しさを知ってもらえたら」と来場を呼びかけた。
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ネオパークオキナワとは
ネオパークオキナワは、沖縄県名護市に位置する動植物園で、自然環境を再現した広大な園内で様々な動植物と触れ合うことができます。この施設は、1987年に開園し、約22ヘクタールの敷地に多くの野生動物や植物が生息しています。
ネオパークオキナワの特徴は、動物たちが自由に歩き回るオープンエリア形式の展示です。来園者は、柵や檻を介さずに鳥や動物たちを間近で観察できるため、自然に近い形での動物との触れ合いが楽しめます。特に、フラミンゴやエミュー、カピバラなどの人気動物が見どころです。
また、園内には沖縄の固有植物や熱帯・亜熱帯の植物も多く植えられており、季節ごとの美しい風景を楽しむことができます。さらに、子供向けの体験プログラムや餌やり体験なども充実しており、家族連れにも人気のスポットとなっています。
ネオパークオキナワは、動植物の保護と教育活動を通じて、訪れる人々に自然環境の大切さを伝える役割を果たしています。