普天間基地の辺野古移設をめぐって、大浦湾側で移植した小型サンゴの一部が死んでいたことがわかりました。 普天間基地の辺野古移設のため、沖縄防衛局は大浦湾側の埋め立て予定海域に生息するサンゴ、約8万4000群体の移植を行っています。 那覇市では1日、移設工事に関して環境保全を指導する国の環境監視等委員会が開かれ、2021年と今年5月に移植した小型サンゴをモニタリングした結果が示されました。 その結果、サンプリングした75群体のうち、約17%が3か月後に死んでいたことがわかりました。 一方で、移植先の海域で元々生息していた小型サンゴについてもサンプリングした109群体の約6%が死んでいたことから、委員であるサンゴの専門家は移植による現象なのか、因果関係は「わからない」としています。
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サンゴとは
サンゴは、海洋生物の一種で、ポリプと呼ばれる個体が集まって構成されています。ポリプが単独で生活するものは「単体サンゴ」と呼ばれ、一つのポリプが有性生殖により生じた後、分裂や出芽によって多数のクローンが作られ、これらが分離せずに集合して生活するものは「群体サンゴ」と呼ばれます。サンゴはこれらの形態によって異なる特徴を持ちます。
サンゴには、体内に褐虫藻という藻類を共生させているものがあり、これを「造礁性サンゴ」と呼びます。褐虫藻は光合成を行い、その過程で生じたエネルギーをサンゴに供給します。これにより、造礁性サンゴは比較的成長が早く、広範囲にわたってサンゴ礁を形成します。サンゴ礁は、浅海域の明るい場所に生息する造礁性サンゴの存在によって作られ、海洋生態系において非常に重要な役割を果たしています。
一方で、褐虫藻と共生しないサンゴは「非造礁性サンゴ」と呼ばれます。非造礁性サンゴは、光合成によるエネルギー供給に依存しないため、浅海だけでなく、光が届かない深海にも生息することができます。これらのサンゴは、環境に応じた多様な生活様式を持ち、異なる環境下でも適応して生息しています。
造礁性サンゴと非造礁性サンゴの違いは、褐虫藻との共生の有無と、それに伴う生息環境や生活様式に大きな影響を与えています。サンゴは海洋生態系において重要な位置を占め、多様な海洋生物の生息場所を提供し、海の健康を支える役割を果たしています。